舞姫
イノリは、古寺へと続く石段を、元気な下駄の音を響かせながら、駆け上っていく。 「お〜い、泰明!」 「イノリか」 目当ての人物の名を呼びながら、寺に駆け込むと、小さな本堂を囲む緑美しい庭に佇んでいた泰明が振り向く。 背は高いが、ほっそりと優美な姿をした泰明の後ろに、彼よりも背の高い青年がひっそりと立っていた。 その青年の姿を目にして、イノリは何とも言えない心地となる。 「ここで何してるんだよ」 気まずさと焦燥感がない交ぜになった気分で問うと、 「季史に少々舞の教えを乞うていた」 泰明は応えながら、す、と視線を背後に佇む青年に流す。 その言葉を受けて、暗赤色の髪の青年が穏やかに微笑む。 「舞ぃ?泰明、お前陰陽師だろ?陰陽師の仕事に舞なんか関係ねえんじゃねえの?」 「全く関連が無いとは言えぬ。そもそも舞、舞踏とは祭祀において、神に供せられるものだ。 転じて、宮中で行われる舞は、神の子孫である天子に捧げられるものとなっている。 そして、これらの舞の形式、作法は陰陽道にも通じる天地陰陽の理から成り立っているのだ。例えば、舞台だ。 舞台の四方の形は地を表し、舞台の東に当たる左方の火炎太鼓は中心に三つ巴、龍の模様で、金の日輪…すなわち、太陽を戴き、 西に当たる右方の火炎太鼓は、二つ巴、鳳凰の模様に、銀の月輪…太陰を戴く。 それらの太鼓を依代として、天から降りてくる気は音に変ずる。 そして、楽の音に合わせて舞人が地である舞台で舞うことによって、 天から地へ降りてきた気は起こされ、舞台中央を通って、天子へと送られるのだ。 また、舞で見られる足の運びの独特な所作なども、陰陽道の反閇(へんばい)の作法と通じるものがある。 反閇とは、大地を踏みしめることによって、荒ぶる地霊を鎮める呪術作法で…」 泰明が淡々と講釈をするが、その内容の殆どが、イノリには、ちんぷんかんぷんだった。 だが、取り敢えず、泰明の話を最後まで聞いて、舞と陰陽道には多少なりとも関連があり、 それ故に、泰明が舞に興味を持ったのだということだけは理解した。 「…んで、どうなんだよ、教えてもらった出来の方は?」 上げた腕を頭の後ろで組みながら、イノリが問うと、泰明は微かに柳眉を顰める。 「良くない。やはり、一朝一夕で出来るものではないようだ」 「そのようなことはない」 心なしか悔しげに言う泰明の言葉を、背後の季史がやんわりと否定する。 「始めたばかりであれだけ舞える者は少ない。そなたは筋が良い。元より動作が機敏で、品良いからだろう」 「そうだろうか?」 「もしも、そなたが斉陵王を舞うのなら、直面が良いだろうな。そなたの美貌に桜の挿頭花はさぞ似合うことだろう… 或いは、そなたならば、迦陵頻や胡蝶も舞えるかもしれぬ」 「迦陵頻と胡蝶は童舞ではないか」 泰明は不本意そうな声を上げるが、褒められたのが嬉しかったのだろう、すぐに、表情を和らげる。 「ところで、イノリ。私に何か用があったのか?」 泰明に訊ねられて、彼と季史の会話に入っていけず、見守るだけとなっていたイノリは、我に返った。 「…あ、ああ!明日の怨霊退治なんだけどよ、あかねが俺と泰明に同行して欲しいって言ってるんだ。大丈夫か?」 「明日か。問題ない。承知した」 「そっか。じゃ、明日は頑張ろーな!!」 用件はそれだけだったのだが、まだ、その場を立ち去り難く思うイノリの気持ちを察したように、 ふと季史が、暮れ始めた空を見上げて口を開いた。 「もうすぐ日が暮れる。舞の手解きはここまでとしよう」 俄か師匠の言葉に泰明は居住まいを正す。 「お前の教え、参考になった。また、日を改めて教えを乞うても良いだろうか?」 「ああ、構わぬ。また、いつなりと来ると良い」 熱心な弟子の言葉に、季史は僅かに微笑んで頷いた。 「んじゃあ、泰明!途中まで一緒に帰ろうぜ!」 勢い込んだ口調でのイノリの誘いに、泰明は頷いて、歩き出す。 彼と並んで歩くべく、イノリも身を翻そうとするが、そのとき… 彼らを穏やかな眼差しで見送る季史の表情に、一瞬暗い翳りが走るのを見てしまった。 緑美しい庭を彩る眩しい夕陽に、季史の姿は透けるように頼りなく見えた。
「…なあ、泰明」 帰路の途中、イノリは躊躇いがちに口を開く。 「季史だけどさ…あいつ、もう怨霊じゃないんだよな?」 常の彼らしくなく俯きがちに歩く傍らのイノリに、泰明はちらりと目を遣ってから応える。 「ああ。お前も知っているように、季史の抱えていた怨念は全て神子が浄化した。故に、季史は最早害となる存在ではない」 「じゃあ、何だって今もあいつは成仏せずに、あそこにいるんだよ?もう、あいつは…生きてないんだろ? 幾ら、害の無い存在だって言ったって、ずっとあのまんまじゃあ、不味くないのか?」 「確かに良くはない。本来、彼の岸へと還る存在が、現世に留まっている訳だからな。この状態が長く続けば、理を乱す」 「何とかできねえのかよ?」 イノリの問いに、泰明は華奢な首を微かに傾けた。 「このことは予め、本人にも伝えたのだが、どうやら季史にはまだ、心残りがあるようだ。それを解消せずに、彼岸を渡ることはできぬ」 「心残りって何だよ?」 重ねられた問いに、泰明は傾げた首を更にもう少しだけ傾けた。 「訊ねてみたが、応えてくれなかった。ただ、時間が立てば、きっと気持ちに踏ん切りが付くからと言うのみ。 いささか心許ないが、本人がそう言うのなら、そのときを待つしかあるまい。…?どうしたのだ、イノリ」 不意に立ち止まって泰明を見上げるイノリに、泰明が怪訝そうに問う。 「なっ、何でもねえっ!」 イノリは慌てたように泰明から目を逸らし、先程よりも勢い良く歩き出す。 「??」 盛大に下駄の音を響かせるイノリの背中を見詰めて、泰明は今度は反対側に首を傾げた。
翌日の夕暮れ時。 「よう!」 唐突にひとり古寺を訪れたイノリを、やや訝しげな様子を覗かせながらも、季史は穏やかに迎えた。 「悪ぃな、いきなり来ちまって」 「いや、構わぬ。こちらももてなしめいたことは何も出来ず、すまない」 「んなことはいいって!気にすんな!」 本堂の簀子に腰を掛けた季史は、落ち着きない様子で佇んでいるイノリを静かに見上げる。 「今日は、あかねと…泰明と共に出掛けたのだろう?」 「あ、ああ!怨霊退治だけどな。今日一日で、三体の怨霊を封じたぜ!」 「そうか…羨ましい…」 「あ?」 「羨ましい…私も、そなたのように、泰明と京の町を歩いてみたかった……」 「……」 寂しげに呟く季史の言葉に、躊躇うように黙り込んだイノリは、やがて、意を決したように口を開いた。 「…あのさ。お前が成仏できない心残りって、もしかして、泰明のことなんじゃないのか?」 イノリの指摘に、季史は蒼い瞳を瞠る。 暫しの間を置いた後、ゆっくりと頷き、イノリの言葉を肯定した。
「…この不安定な身で、私が今だ現世にしがみ付いているのは、成仏すればもう二度と泰明に会うことができなくなるからだ。 何故、生きているうちに、泰明と出遭うことができなかったかと幾度も考え、その度に詮無いことと己に言い聞かせてきた。 同時に、時が経てば、きっと諦めが付くと考えていた……だが、泰明に舞の手解きをする度に、堪らないもどかしさが募るのだ。 怨霊としての生から解き放たれた私は、以前と比べて遥かに楽になった…しかし、今の私は、実体の無い狭間の存在だ。 現世にある者と言葉を交わすことは出来ても、触れることは決して出来ない。 無垢な眼差しで私を仰ぐ泰明は、すぐ傍に居るのに、手が届かない。ただ、すり抜けるばかりで……」
切々と泰明への想いを語る季史に、イノリは思わず深い共感を覚えてしまう。 ここまで共感してしまうと、季史の話をそのまま聞き捨てにすることは難しくなる。 「…んじゃあ、泰明に触ることが出来れば、お前は気が済むのか?」 「分からないが…少しは気持ちが充たされるのではないかと思う。しかし、もとより無理な話だ」 「ひとつ訊きたいんだけどよ、生きている人間… 例えば、俺の身体に、お前が一時的に乗り移ったら、泰明に触れるようになるんじゃねえのか? まあ、俺の身体を通してってことだから、厳密には触れることにはならないかもしれねえけど」 イノリの言葉に、季史が大きく目を見開く。 「…良いのか?」 泰明に想いを寄せているのなら、季史は立派にイノリの恋敵だ。 そんな恋敵相手に甘いとは思うものの、自分以上に行き場の無い想いを抱えている彼の事情を考えると、 放っておけないと思うイノリだった。 それに、これで心残りが無くなれば、季史は成仏できるかもしれないのだ。 「ああ、良いってことよ!!あ、でも、身体を貸すのはあくまでも一時的だからな!!」 念の為に釘を刺すイノリに頷いた季史は、噛み締めるように呟いた。 「有難う…感謝する」
数日後、再び泰明が舞の教えを乞いに古寺にやって来た。 「季史…?いや、違う、その身体はイノリか。これはどういうことなのだ?」 八葉に選ばれた素養の所為か、はたまた、共通の想いを抱く者同士であった所為か、 イノリの身体に、上手く憑くことの出来た季史は、己の姿を見事に具現化させていた。 常人ならば、ただ、実体を伴った季史の姿しか見えないことだろう。 しかし、見掛けに惑わされず、一目で真実を看破した泰明に、流石だと季史は微笑んだ。 「私がイノリに一時だけ身体を貸してくれるよう、頼んだのだ。イノリは快く引き受けてくれた」 「何の為にそのようなことを?」 「一度で良いから、実体を得た姿で、そなたに舞を教えてみたかった」 季史の意図が掴めずに、泰明は怪訝そうに細い眉根を寄せる。 「ほんのひとときで良い…実際にそなたの手を取って、舞を教えたかったのだ」 泰明は首を傾げて、大きな瞳を幾度か瞬かせる。 「そうすることが、お前の心残りをなくすことに繋がるのか?」 泰明の問いに、否とも応とも付かぬ微笑だけを返して、季史は泰明に手を差し伸べた。 「暫し、付き合ってくれぬか?私の願いに…」 泰明は、少々考えるような間を置いた後、差し出された季史の手に、己の細くしなやかな手を重ねた。
一方、季史に身体を貸しているイノリの意識は、眠ることなく、季史の意識と同居していた。 しかし、身体を動かす主導権は、季史に一時的に明け渡している為、今のイノリには、指先ひとつさえ、意のままにならない。 自分の身体なのに、自分の身体ではないようなもどかしい違和感を覚えながら、イノリは季史と泰明のやりとりを見守るしかない。 (なるほど、季史の言ったとおり、結構上手いじゃねえか) こうして、季史と同じ目線で見ていると良く分かる。 時折、季史に手を取られ導かれながら、手足を動かし、舞ってみせる泰明の動きは、流れるように美しい。 蝶の羽のようにふわりと翻る着物の裾と袖。 袖から覗く綺麗な指先。 身動きに従ってさらさらと背や肩を滑り、揺れる絹糸のような髪。 宙を流れる翡翠色の髪に、悪戯に一瞬隠れては、また露になる白い項の眩しさ。 天上の美姫もかくや、と思われる泰明の舞姿だ。 その技量如何に関わらず、ただ目を奪われ、思わず魅入ってしまう。 イノリは実際に見たことはないが、五節の舞姫に選ばれるどんな高貴な姫君でさえ、泰明の舞には敵わないのではないかとすら思える。 (それに…) 身体を自由に動かすことは出来なくとも、季史が泰明に触れる感触は、イノリにも伝わってくる。 華奢な肩や滑らかな手の感触が、直に伝わってくる度に、イノリは落ち着かない気分となる。 また、季史が上手く実体化している為か、イノリの視点は季史と同じものとなっている。 いつも見上げている泰明の顔を、やや見下ろす角度で眺めるのは新鮮な気分だった。 (あと、何年経ったら、実際にこの位置で泰明を見られるようになんのかな…?) そんな風に考えていると、不意に、僅かに上目遣いで泰明に見上げられて、どうしようもなく胸が騒いでしまう。 おまけに、泰明ときたら、動く度に、淡く仄かに甘い花のような香りを振り撒くのだ。 当の本人は無意識なのだろうが、間近でその香りに包まれてしまうと、一層胸の鼓動は速くなり、同時に切なく、堪らない心地となる。 今までにない経験をしている最中でもあって、常よりもいっぱいいっぱいになっているイノリの心に、更に季史の心までもが流れ込んでくる。 『愛しい……』 時折、穏やかな声音で、舞の所作を教え、問いに応える季史の心もまた、イノリ同様、泰明への想いに満ちていた。 ただ、敢えて比べるなら、季史のほうが、その想いはより切実だ。 泰明に触れることが叶ったが為に、却ってより深くなってしまった想いを、季史が持て余していることが手に取るように伝わってくる。 (…これは、ちょっとやばいんじゃねえ?) イノリは心の片隅で危ぶんだが、季史の視点で泰明を見ているうちに、 元より共通するところの多い自分の想いと季史の想いの境界が次第に曖昧となり、どれがどれやら分からなくなってしまう。
「季史?」 季史の変化を察した泰明が動きを止め、まっすぐに見上げてくる。 その澄み切った翡翠と黄玉の瞳。 ごくごく淡い紅を滲ませる桜色の肌。 澄んだ声音を紡ぎ出すふっくらとした花弁の唇。 清かに漂う香り。
もっと彼の傍に行きたい。 もっと触れたい。
眩暈のような感覚を覚えたのは、どちらの方だったのか。 はっと、イノリが我に返ったときには、季史は泰明の細い身体を、己の袖の内に包み込んでいた。 「どうしたのだ、突然…」 怪訝そうな泰明の問いを、指先で唇に触れることで封じる。 (こ、こいつ、まさか…) 危ぶむイノリを他所に、湧き上がる衝動に捕らわれた季史が、僅かに開かれた泰明の唇に、そっと己の唇を寄せていく。 (〜〜〜っ!!!) このままでは、季史が泰明に口付けてしまう。 (俺だってまだ、一度もしたことがないんだぞ!! …いや、でも、季史は俺の身体を借りている訳だから、俺が泰明と口付けることになんのか? いや、でもでも、それは季史が泰明に口付けることにもなる訳で…泰明だって季史と口付けしたと思うだろうし…そんなの、冗談じゃねえ!!) 一瞬の間に、イノリは頭の中で目まぐるしい葛藤をする。 実際に頭の中がぐるぐる回ってしまいそうだ。 (……でも、最後の思い出に口付けが出来れば、季史は満足して成仏できるかもしれなくて… 口付けの感触くらいは俺にも伝わってくるだろうし、それだったら、一度くらい許してやっても…) ……いや、だが、しかし!! 「やっぱり、駄目だッッ!!!」 耐え切れずに、イノリが心の中で叫んだ言葉は、大きな声で発せられていた。 「……えっ?…」 驚いてイノリが目を開くと、すぐ目の前に、これもまた、驚いた様子で大きな瞳を瞬かせている泰明の姿があった。 「…え?」 少し目を動かすと、傍らに蒼い目を瞠る季史の姿が見えて、やっと、イノリは、自分が叫んだ拍子に、 憑いていた季史を弾き出してしまったことに気が付いた。 「何が駄目なのだ?」 「え…え〜っと、何でもねえ!こっちの話だよ、こっちの!!なっ!」 きょとんと首を傾げる泰明に、慌ててそう応え、イノリは、思わず季史に同意を求める。 次いですぐに我に返って、イノリは気まずくなり、季史に向かって頭を下げた。 「悪ぃ!季史。途中で弾き出しちまって…」 「…いや。却って助かった」 何が助かったのか。 敢えてその内容は口にせず、季史は静かに微笑する。 「有難う、イノリ。改めて、そなたの心遣いに感謝をする」 「…た、大したことじゃねえよ!」 素直に感謝されて一層イノリは気まずくなってしまったが、済んでしまったことは仕方ない。 後ろめたい気持ちを吹き飛ばすように、イノリは胸を張る。 そんなイノリと季史を交互に見遣った泰明が、季史に問うた。 「お前の願いは叶ったか?」 「ああ」 「心残りもなくなったか?」 その問いに頷き掛けた季史は、しかし、途中でそれを止めて、僅かに苦い笑みを浮かべた。 「…いや。すまない、それをなくすには、まだ、もう少し、時間が必要なようだ」 「そうか…」 泰明が心なしか悄然とした様子で俯く。 「泰明…」 イノリがそんな泰明に少し申し訳ない気持ちで呼び掛ける。 しかし、季史は微笑んで、泰明に手を差し伸べた。 「そのような顔をしないでくれ。私はただ、この仮初めの時を、もう少しだけ愉しみたいだけなのだから。 時が経てば、きっと還れる。間違っても現世を彷徨う存在にはならぬ」 決して泰明を悩ませ、悲しませることはしない。 季史はそう言っているのだ。 ならば、自分も慌てる必要はない。 (季史の言うとおり、考えようによっちゃ、この状況も愉しいかもしれないよな!) そう思い直したイノリは、元気良く泰明に呼び掛ける。 「泰明!もう一度舞って見せてくれよ。俺、まだ、お前の舞をちゃんと見たことねえし」 「…しかし、まだ上手くは舞えぬ」 いきなりの要求に躊躇い、渋る泰明の背を優しく押すように、季史が促す。 「私もそなたが独りで舞うところを見てみたい。触りの部分だけで構わぬ。大丈夫だ、基礎は充分に会得できている」 そこまで言われては、泰明も舞わざるを得なくなったようだ。 「見苦しいかもしれぬぞ」 恥ずかしいのか、僅かに滑らかな頬を染めて、泰明はゆっくりと舞い始める。 イノリと季史は、一瞬顔を見合わせて、笑う。 そうして、彼らだけの可憐な舞姫に魅入っていった。
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2007年度姫生誕企画ラストは、イノリ→やっすん←季史でした! 当サイトの初季史はこんな感じで。意外なほど穏やかな人になりました(笑)。 季史は既にこの世の人間じゃないって時点で、悲劇的というか暗い雰囲気を醸し出しやすい(苦笑)人なので、 予定通りほのぼのなお話になるかどうか、危ぶんでいたのですが、今回はイノリの明るさに大分助けられました。 狙い通り(?)ほのぼの爽やかなお話になったんではないかなあ…どうかなぁ…(苦笑) 正直、いつもイノリは天真との書き分けに悩むところなのですが(汗)、天真にお兄ちゃん気質があるとするなら、 イノリにはやはり(笑)親分気質があるということで書き分けてみようとしたのですが… 相手が恋敵であっても、悩んでいるとついつい、余計な面倒を自ら買ってまで看てしまう、 それがイノリ!って感じで(天真はもう少し恋敵にはクールなんじゃないかな、多分/笑)。 冒頭でやっすんが語っている舞に関する講釈は、確か雅楽について少し教えて貰ったなと、 久々に学生時代の講義ノートをひっくり返して探してみました。見直してみたら、殆ど忘れてた!(笑) ちなみに現在、雅楽で使われている火炎太鼓の模様は必ずしも↑であるとは限りませんね。 宮内庁にある二対の太鼓はそうなんですと。あっ、これもそうですね! 本来は、舞台の両側に向かい合わせで配置するものだそうです。 太鼓の微妙な形は、三昧耶形(さんまやぎょう)での「火」を現す 三角形の映し崩れなのだとかいうのも教えて貰ったです(笑)。 やっすんの可憐さは敢えて指摘するまでも無いので、ここでのコメントは控えます(笑)。 戻る