Crazy for Honey Kitty!
目覚ましがけたたましく騒ぎ出すと同時に、伸ばされた腕がベルを止めた。
次いでベッドから身を起こした青年が、一つ大きく伸びをする。
そこで、自分の傍らで薄い上掛けが人型に盛り上がっていることに気付いた。
「ああ、戻ってきたのか…」
夜勤明けで家に戻ってきて、そのままベッドに潜り込んだのだろうが、気付かなかった。
ベッドが広々としたキングサイズだからということもあるが、彼が身長の割に細くて軽い所為もあるだろう。
その彼、泰明は身体をこちら側に向けて寝入っている。
ベッドの広さにも関わらず、長い手足を折り曲げ丸まっている姿は、まるで仔猫のようだ。
カーテン越しに差し込む朝の光の中で、上掛け越しにも、横向きになった華奢な身体のラインが際立っている。
いつものように、カーテンを引き開けることはせず、淡い光を頼りに白い顔を覗き込む。
手を伸ばして、そっと翠色の頭を撫で、白い頬に触れる。
よほど疲れているのだろう、泰明は深く寝入ったまま、目を醒まさない。
しかし、触れた頬の滑らかさと、穏やかに落ち着いた寝息を掌で確かめて、ほっと息をつく。
その優秀さで患者はもちろん、医師仲間からも引く手数多な泰明は、
本人の生真面目さも手伝って、多忙を極め、夜勤も多い。
それを着々とこなしている泰明が、華奢な見掛けに反して、かなりタフであるのは事実だ。
だから、余計な心配は不要だと充分承知してはいる。
ただ、問題なのは、泰明が無理をしていても、自分では気付かないところにある。
この点に関しては、いつも一緒にいるこちらが気を付けなければならない。
「医者の不養生なんてカッコが付かないからな」
と、泰明には常々言い聞かせているが、その実、自分が彼の心配をしたいだけなのかもしれない。
上掛けを掛けなおしてやると、泰明は眠ったままそれを引き寄せ、身体に巻きつけるようにして更に丸まった。
そんな様子に笑みを零してから、ベッドを下りる。
今日はレースがある。
レース自体は午後からだが、朝のうちに会場へ行って、時間までにコンディションを整えておかねばならない。
「よし!」
一声、気合を入れてから、青年、天真は洗面所へと向かった。
顔を洗い、着替えてから朝食の支度を初める。
すると、間もなく廊下をぱたぱたと若干忙しげに渡る軽い足音と共に、
「天真」
名を呼びながら、泰明が現れた。
「何だよ、まだ寝てていいんだぞ?」
振り向いて軽く言うが、泰明は首を振る。
「そうはいかない。今日はレースがあるのだろう?朝食の支度は、私がする。天真は出掛けるまで休んでいろ」
「お前だって夜勤明けだろうが。疲れてるんだろ?無理すんなって。まだ、寝てろよ」
パジャマのまま近付いてきた泰明に諭すように言うが、それにもまた泰明は首を振る。
「無理などしていない。天真が出るレースはいつも危険が伴うのだろう?
天真は今まで事故に合ったことはないし、天真の腕前も信じているが…
私はレースに出る天真の助けになるようなことは何もできないから。だからせめて、ちゃんと見送るくらいはしたいのだ」
綺麗な色違いの瞳で真っ直ぐこちらを見上げながら健気に訴える泰明の姿に、天真は暫し言葉を無くしてしまう。
自分を一途に想っていてくれることが分かるこうした泰明の言葉や態度に触れる度、
天真はいつも舞い上がるような嬉しさと彼に対する愛おしさを噛み締める。
しかし、同時に妙に照れ臭くもある。
「………そんなのお互い様だろ?俺だって泰明の仕事の手伝いなんてできないし」
どうにかそう応えてから、照れ臭さを誤魔化すように、やや大袈裟に笑ってみせる。
「じゃ、一緒に飯を作るか?」
天真の提案に、泰明は瞳を輝かせて頷く。
「そうだ、天真」
「何」
「まだ、言っていなかったのだ。おはよう」
「ああ、おはよう」
律儀に朝の挨拶をする泰明が可愛くて、挨拶を返しながらその白くて滑らかな頬に口付けた。
「レースは午後ニ時からだったな。今日は休みゆえ、急患が入らぬ限り、私も必ず見に行く」
「サンキュ。楽しみにしてる。俺が出掛けたら、お前はもう少し寝めよ」
「分かった。天真、今日のレースも頑張ってくれ」
「おう、記録更新してやるぜ」
「天真」
「何だ?」
玄関口で靴を履いて立ち上がった天真に、泰明が手招くような仕種をする。
今の天真と泰明との間には、出逢ったばかりの頃には殆どなかった身長差がある。
何か内緒話でもあるのかと、招きに応じて身を屈めると、泰明がするりと細い腕を天真の首に回した。
頬にふんわりと優しい唇の感触。
それに、一瞬天真の頭が真っ白になった。
「気を付けて行ってこい」
身を離した泰明が、にっこり笑って見送りの父親のような台詞を口にする。
つい先程の新妻の見送りのような行動とは全くもってそぐわない。
しかし、拘るべきなのはその点ではない。
「泰明、今の…?」
一瞬の茫然自失状態から復帰して、まだ自分の首にしがみ付いたままの華奢な腕に触れながら問い掛けると、
泰明がきょとんとした顔をする。
「これは見送る者が、出掛ける者に対してする一般的な呪いなのだろう?神子から聞いた」
「また、あいつは…何処が一般的な呪いだか」
「違うのか?神子はこうすることによって、相手の今日一日の活躍と無事の帰宅を祈るのだと言った。
また、こうして見送った方が天真が喜ぶとも。迷惑だっただろうか?」
泰明がしゅんとし掛けるのを察して、天真は慌てて宥めるように目の前の細い身体を抱き締める。
「落ち込むなって!迷惑な訳ないだろ!!嬉しいよ。お前にそこまで気遣って貰えるなんてさ」
「本当か?」
「ああ。こんな呪いなら毎日だって大歓迎だ。ただ…」
泰明を抱き締めたまま、天真は互いの額を突き合わせるようにして、彼と間近に視線を合わす。
「この呪いは俺以外の奴にはするなよ」
「何故だ?」
「……」
案の定だ。
この泰明の問いで、あかねの説明不足が明らかとなった。
さてどう言い聞かそうかと考えていると、同様に天真の言葉の意味を考えていたらしき泰明が口を開いた。
「この呪いは、天真以外には利かないということか?」
「ん〜、むしろ全然別の副作用が怖いところだな」
「副作用?危険なのか?」
「大いにな」
本人は無自覚だが、何しろ、泰明はモテる。
大いにモテる。
一応は、泰明の恋人としての地位を確立した天真ではあるが、安心はできない。
泰明のことを諦めきれない人間は、依然として、うようよいるのが現状なのだから。
そんな数ある恋敵に対して、何も知らない泰明がこんな見送りをしたら、と思うだけで腸が煮え繰り返りそうな気分になる。
それだけは断じてさせるものか。
こと泰明に関してだけは、とことんまで狭量になってしまう天真である。
眉を寄せた難しい顔で言い諭す天真の様子から、何処か切羽詰ったものだけは感じた泰明が、神妙に頷く。
「分かった。天真がそこまで言うなら、この呪いは決して他の者に対しては行わぬ」
「そうしてくれると助かる」
「?」
何故、天真が助かるのか。
泰明は首を傾げるが、
「そろそろ出ないとヤバいな」
と、天真が言ったので、問うことはせずに、彼を見送った。
「森村さん!」
一通り、オーバルコースを走行して、
もう少しマシンのエンジン調整をしようとメットを脱いだところで天真は声を掛けられた。
何処か甘えた響きのある高い声に、天真が顔を上げると、見知らぬ女性が立っていた。
プロポーションが自慢なのだろう、身体の線の際立つ服を纏っている。
「ニ週間前の森村さんが優勝したレース、見ました!凄くカッコ良かったです!!」
「…どうも」
「今日のレースも頑張ってくださいね!応援してます♪」
そう可愛らしげに言って、彼女は腰を振りながら去っていった。
「よう、天真!モテる男は辛いねえ!」
明るいからかい声に振り返ると、レース仲間のエツローが立っていた。
「誰、あれ?」
天真が訊ねると、エツローは大袈裟に目を丸くした。
「何、お前。一ヶ月も前からこのレースのイメージガールになってる彼女を知らないって?
しかも、お前この前のレースで優勝したときに、彼女から直接花束を貰ってただろうが」
「ああ、そう言えば…」
よく思い出してみれば、あのとき花束をくれたのは、彼女だった気がする。
あのときと服装が違うので気が付かなかった。
何よりも、あの日に関しては、持って帰った花束を受け取った泰明の嬉しそうな笑顔とお祝いのキス、
その後のふたりの幸せな時間の記憶の方が鮮明で、花束をくれたイメージガールのことなど殆ど憶えていなかった。
「あんときも、お前に色目使ってたけど、やっぱり、あの娘(こ)、天真狙いだったんだなー。
仮にもこのレースのイメージガールが、一レーサーの肩を持つようなことを言うんだもんな」
「興味ねえよ」
「何で?可愛いじゃん」
エツローの言葉に、マシンの前に屈み込みながら、天真は面倒臭げに応えた。
「そうか?俺は正直言ってちょっと鬱陶しい」
「ひでえこと言うなー。あんなに熱烈な眼差しを送られといて」
「あっちも、俺がこの前のレースで優勝したから、興味を持っただけだろ。
もし、このレースで俺が負ければ、見向きもしなくなるに決まってる」
「そうかぁ?」
疑わしげな声をエツローが上げるのも無理はない。
最近、増えてきたオートレーサーだが、天真のように腕良し、顔良しのレーサーはなかなかいないのだ。
その為、天真には女性ファンが多い。
専門誌以外の女性誌の取材が来ることがあったり、
先程の彼女のようなレースの華とも言うべきイメージガールが声を掛けてきたりもする。
だが、当の本人はそのことが大して嬉しくはないらしい。
「ま、天真には泰明さんがいるからな」
エツローが肩を竦めて、苦笑する。
「だけど、最初は驚いたぜ。お前、男と付き合ってるって堂々と公表したもんなあ」
「別に隠すことじゃねえだろ。後ろめたいことしてるつもりは全くないし」
「これだよ。でも、まあ、男と付き合ってるって聞いて、最初は俺もビビったけどさ、
実際泰明さんに会ってみたら、無理もねえかなあって思った。泰明さん、すっごい綺麗だもんな。
…って睨むなよ。ちょっかい掛ける気なんかないって」
「んなことしたら、ぶっ殺してやる」
「しないって!おっかねえなあ…」
怖がる素振りをしながらも、エツローの声は笑っている。
「ホントにお前、泰明さんのことしか目に入ってないのな」
「悪いか?」
「いんや、お熱くて羨ましいこって。
もしかして、泰明さんと付き合ってるって公表したのは、虫除けも兼ねてか?」
「そのつもりだったんだけどな、あんまり効果なしだ」
泰明に想いを寄せる連中は諦めてくれる気配はないし、天真にこうして色目を使ってくる女性も後を絶たない。
天真は思わず、小さく舌打ちする。
泰明の方は仕方がないにしても、自分に寄ってくる女の方は、心底鬱陶しかった。
モテない男からは恨まれること必至だろうが、それが今の天真の偽らざる本音だ。
「お前が恋人持ちだって知ってても、あの娘みたいに声を掛けてくる女は皆、
自分のほうが魅力があると思い込んでるんだろ。泰明さん、仕事が忙しくてあんまり、レース場には来ないだろ?
ここでは噂の天真の恋人を実際に目にした連中は少ない訳だ。だから、あわよくば横取りしようって気にもなれるんだろうさ」
「…エツロー。お前も結構ひでえこと言ってる」
「ところで、今日、泰明さんは来るのか?」
「ああ、何もなければな」
「へえ。じゃあ、あの娘が泰明さんに実際に会ったら、結構面白いことになるかもな」
そろそろレースが始まる。
エツローが揶揄するように言った。
「で?あの娘の興味の対象から外れる為に、今日のレースは手抜きしてくれるって?」
「馬鹿やろう。誰がんなこと言った?今日は泰明も見に来るんだ。絶対優勝する」
にやりと挑戦的に笑むと、エツローもにやりと笑み返す。
「俺も今度は負けないぜ。この幸せ者にこれ以上の幸運をやって堪るかってんだ」
双方、上げた片腕をがっちりとクロスさせてから、エツローは自分のマシンの方へと戻っていった。
赤いチェッカーフラグが翻る。
レースの結果は、エツローとの僅差で天真の優勝となった。
観客の歓声と色とりどりの紙吹雪が降り注ぐ中、天真はトロフィーを受け取った。
取材のカメラマンの使うフラッシュが周囲で閃く。
レース主催者の言葉に笑顔で応えながら、天真はそれとなく周囲を見渡す。
泰明は来てくれただろうか。
このレースを見てくれただろうか。
視線の端に、花束を抱えた例のイメージガールが映った。
彼女は花束を手渡しながら、僅かに頬を染め、興奮した口調で天真に話し掛ける。
「優勝、おめでとう御座います!!やっぱり、私の思ったとおり。今日の森村さんもとってもカッコ良くて素適でした♪」
彼女の言葉を聞き流しながら、天真の視線は泰明の姿を探し続ける。
「…あの、もし良かったら、これからお食事にでも……」
報道陣が作る輪の向こう側に、ようやく泰明のほっそりとした姿を見付けることができた。
そっと囁くように誘い掛ける彼女の言葉を遮るように、天真はその名を呼んだ。
「泰明!!」
天真を囲む記者やリポーターがざわめく。
天真は彼女の脇を過ぎり、報道陣の輪を潜るようにして泰明の元へ駆けていく。
「天真」
いきなり注目の的となって、泰明は戸惑った様子だったが、近付いてくる天真に気付くと、表情を緩めた。
「ほら、優勝したぜ。記録更新だ。見たか?」
トロフィーを掲げながら訊ねると、泰明は頷いた。
「見た。凄いと思った。良かったな、天真。おめでとう」
端的で飾らない祝いの言葉を口にした後、一旦言葉を切った泰明は、天真を見上げて綺麗に微笑んだ。
「無事で良かった。こうして今日も天真に祝いの言葉を伝えられるのが嬉しい」
「大袈裟だな」
口ではそう言いつつ、常に自分の無事を祈ってくれる泰明の気持ちを、何よりも嬉しく感じる。
その気持ちのまま、すぐにでも、泰明の細い身体を思い切り抱き締めたいところだが、あいにく今は、人目がある。
代わりに、手にした花束をばさりと投げるように手渡した。
「ほら、これもまた、お前にやるよ」
泰明は花が好きだから。
「有難う、天真」
礼を言って、泰明は花の香りを確かめるように、両腕いっぱいの花束に僅かに顔を埋めた。
伏せた瞼の白さとそれを縁取る長い睫。
まるで誘い掛けるような仕種だ。
尤も、泰明にそんな気は微塵もないのだろう。
ただ、自分が気がおかしくなるくらい泰明に夢中になっているだけだ。
「…っ、天真?!」
ふいに、抱き上げられた泰明が驚いた声を上げる。
「さあ、さっさと帰って夕飯にしようぜ。また、一緒に作るか?」
泰明は他愛ない話をしながら、自分と一緒に食事を作るのが好きなのだ。
天真もまた、そんな泰明を見るのが好きだった。
「作る」
この提案に笑顔で頷いた泰明に微笑み掛けてから、天真は呆然としている背後を振り返った。
「じゃ、お先に」
背後で先程よりも一層多くの報道陣のフラッシュが焚かれる音がしたが、構わない。
「これで、もう少し虫除け効果が上がればいいけどな」
「?」
独りごちた天真に、腕の中の泰明が無邪気に首を傾げた。
一方。
天真に誘いを無視され、取り残される形となった例の彼女。
しかも、本来なら、イメージガールである自分にも向けられる筈のフラッシュさえ、
天真とその美しい恋人に奪われてしまったのだ。
しばし呆然と佇んでいたが、天真たちの姿が完全に見えなくなって、ようやく己の置かれた状況に気が付いた。
「…くっ、悔しい〜〜〜っっ!!!」
甲高い悲鳴に周囲の人々がぎょっとした顔をするが、その叫びが当の天真たちに、最早届く筈もなく。
早く家へ戻ってふたりだけの時間を過ごそう。
一緒に夕飯を作って、食べて。
風呂に入って。
いつもと変わりない、だが、大切な時間。
そして、いつものように微笑った泰明を思い切り抱き締めるのだ。
それだけで気が触れそうなほど、幸せな気分になれるに違いない。
10000hitニアキリリクは、「現代版てんやす同棲生活」でした。 今回も悩みに悩んだ題名は、坂本真綾の歌のタイトル、「Honey bunny」からアイディア頂きました。 よく「寂しい」と言う自分の彼氏のことを「Honey bunny」と呼んでる歌なんですけど(笑)。 ニュアンス的には「私の可愛いうさぎちゃん」ってこと? そのまま使うのは何なので、ここでは「bunny」を「Kitty」に変えてみました。 某サン○オキャラクターのことではなく(笑)、「仔猫」という意味で。 「仔猫」が誰を指すかは分かりますよね?(笑) 「Crazy for Honey Kitty!」で「(仔猫のように可愛い)お前に夢中」(大笑) …くらいの意味合いで捉えていただければ。 で、色々と考えまして、舞台は現代の数年後に設定致しまして、天真の手に職を付けていただきました。 一応、オートレーサーってことでひとつ!学生の頃からやり始めて、そのままプロになったみたいな? オートレース、及びレーサーのことについては、ちょっとだけ調べたのですが、色々と間違っている点あるかと思います。 その点、御了承くださいませ(汗)。 登場するイメージガールも、本当はレースクイーンにしたかったのですが、 F1以外にもそういう女性っているのかなあと調べてみて、結局分からなかったり(苦笑)。 しかし、「エツロー」って何処から出てきたんだろう?自分でも分かりません(笑)。 そして、やっすんは相変わらず(苦笑)多忙なお医者様です。 やっすんの可愛いポイントは挙げると切りがないので(笑)、敢えてここでは触れません。 そのうちのどれかが、「あ、ここの泰明、可愛いなあ♪」と、 御覧になった方のツボを押すことができましたら、とても嬉しいです♪ あと、「この天真、カッコ良いなあ」とかね! ええと、改めまして。 リクエスト下さった桐原ゆの様、有難う御座いました!! そして、10000hit有難う御座います!! 御来訪くださる皆様のおかげで、細々ながらもえっちらおっちら、ここまでやって来ることができました(平伏)。 今後も、えっちらおっちらやっていくと思いますので(笑)、お付き合いいただければ幸いです♪ 戻る